【ポケモンUSM育成論】『カリブ印のドラゴンダイブZ』平成の覇者ガブリアスの剣舞Z型

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⓪はじめに

閲覧いただきありがとうございます、テラと申します。

今回は平成最後の日という事で、平成のポケモンレート環境の中で最大の覇者として名を馳せたガブリアスの育成論を書かせていただきました。

フェアリー続出の現環境では逆風とも言われていますが、今回は私達の中でも特別なアレンジを加えたガブリアスの型を紹介させていただきます。

 

①ガブリアスとは?

第4世代の600族として登場し、当時半減タイプが鋼のみと言う攻撃性能を持つドラゴンタイプに加え、その鋼に抜群を突くことが出来る地面タイプを補完で併せ持ち、更に最高クラスのA130に逆鱗と地震と言うタイプ一致の高火力技に加え、ドラゴン激戦区のS100を僅かに上回るS102という先制性能、4倍弱点はあれど耐久無振りでも生半可な攻撃なら耐えてしまう耐久力を誇り、タイプ一致技を半減できるムドーなどを特殊技の大文字で撃破できる程度の特殊役割破壊性能を併せ持つ、文句なしで第4世代対戦環境最強のポケモンでした。

第5世代でもその強さは衰える事が無く、夢特性鮫肌による襷持ちアタッカーへの襷潰し牽制、更に当時は天候パが大流行していた為、バンギと組ませて光の粉を持たせる事で砂隠れを最大限有効活用する戦術で大暴れしており、更にはこの時は高火力のドラゴンタイプが大暴れしていたこともあり、高火力でありながらラティ兄妹を除けば上からドラゴン技で完封できるガブリアスの対戦環境トップの座は揺らぎませんでした。

第6世代ではドラゴンを本格的に封じる為フェアリータイプが誕生し、環境で大暴れしていたドラゴン、格闘タイプは軒並みその使用率を落としていきましたが、毒突きやアイアンヘッド等で返り討ちにしたり、当時最強メガとして名を馳せたメガガルーラに対しては鮫肌とゴツメを持って相手の連続攻撃を逆手に取った物理受け型、ファイアローやメガリザへの有利耐性等、環境トップ勢に強いこともあって逆鱗が少し打ちづらくなった事以外はガブへの打撃にはならなかった。

尚、この時メガシンカを会得し、攻撃力耐久力が大幅に上昇するという性能を得たが、元が600族と言うのもアリ、上がった能力分は中途半端であり、その代償としてドラゴン同士の対決で致命的なSを削がれてしまい、特性も砂の力とパワー向けではあるものの、鮫肌の方が汎用性が高いという事で殆ど使用されることは無かった。

第7世代。ここで遂に王座が陥落する。4匹のフェアリー準伝に加え、チート特性&最高クラスのタイプ相性を持つミミッキュが登場、ドラゴン技の通りがさらに悪化してしまい、更にメガシンカの初ターンのS仕様の変更によってガブリアスが初手対面で抜かれてしまう強力なメガポケモン達が続出したこともあり、ガブリアスは遂にその玉座をミミッキュに渡す事になりました。

しかし、腐っても600族という事もあり、ステロで後続をサポートする役割、双方のリザに強い点は健在であり、新システムZ技による瞬発的な超火力を叩き出せ、それなりに型が豊富という点で未だトップ30位圏内で意地をみせています。

 

 

②類似したポケモンとの差別化

7世代ではガブリアスのライバルとしては同じく高ステータスの霊獣ランドロス、超耐久の起点要因カバルドン等ドラゴンより地面タイプとして比較されることが多いです。

・霊獣ランドロス

同じ地面タイプで氷4倍弱点ではあるものの、飛行タイプを持ち合わせた地面無効性能、Sは91と勝っているが、Aは145とガブを越えており、 特性威嚇によって耐久性能はガブより勝り、とんぼ返りを持つことでサイクル性能も抜群です。

しかし、今回は無双性能を重視した型となっている為、多少のAを犠牲に高いSを活かし、できるだけ上から叩ける範囲を広げる事に重点を置きました。

・カバルドン

同じ地面タイプではあるものの、単タイプである為氷被弾を2倍に抑える事が出来、更に圧倒的な耐久力にステロ撒きの役割を果たし相手をかき乱す欠伸吹き飛ばしを習得する為、起点作成要因としてはカバルドンに軍配が上がります。

しかし、AはそれなりにあるもののSは果てしなく遅い為アタッカーには向いておらず、抜き性能はお世辞にも高くありませんので今回は見送ります。

 

 

【個体説明】

③特性

鮫肌

今回の剣舞Z型を活かすなら鮫肌一択です。環境に多い相手のカバルドンを利用して身代わりを混ぜた砂隠れと言う選択肢もあるのですが、相手依存になってしまう為汎用性としては相手の襷潰しが出来る鮫肌のがおススメです。

 

④技

確定技

ドラゴンダイブ

本育成論に置ける肝の技です。

デメリットとしては火力が120から100、命中率も75と不安になる上、龍Zの火力が190から180と僅かに落ちる事によってHBカバやHBクレセが剣舞龍Zで一撃で倒せる確率が乱数になってしまいます。

しかし、それ以上のメリットとしては戦術の選択肢が広がったという点があります。

例えば、従来の逆鱗Zでは逆鱗を選択した場合、逆鱗で技が固定されてしまう為、逆鱗の前に龍Zを消費して地震と逆鱗の択を残すと言った戦法が見せましたが、折角の一撃必殺級のZ技を対面している瀕死寸前の相手では無く、後続に控えている体力満タンの相手に龍Zをぶつけたいと思える対面も少なくありませんでした。

そこで思いついたのが、今回のドラゴンダイブZでした。

ドラゴンダイブは命中と火力を僅かにを犠牲にする代わりに、龍技で固定されずフェアリータイプの起点になる事もありません。更に対面の瀕死寸前の飛行タイプ等には龍Zを使わずとも普通にドラゴンダイブを使ってから、後続の相手に龍Zをぶつけると言った高火力技を使うタイミングの選択肢が増える事によって試合に置いての択が増えました。

ドラゴンダイブの命中率は75%と威力100には割に合わないレベルではあるのですが、交代読みや変化技読みで身代わりを残すことができれば先手を取れる相手には2回ダイブを撃つチャンスを作ることが出来、そうすれば双方外す確率は93.75%という事で一発でも当てれば勝てるプレイングを心がければそこまで怖くない確率に抑える事ができました。

更にこれは切り札ではあるのですが…

ドラゴンダイブは20%の確率で怯みます。

これを知らず形勢逆転を喰らったトレーナーも多く、こちらの持ち物を王者の印と勘違いしてくれる人が一定数いました。

 

こちらの構築記事で実際に使った時の感想も書いてあるので是非参照ください。

【ポケモンUSM】 シングルレートシーズン11  序盤最高4位! 竜頭蛇尾な猿ガブ軸ネット構築ver.5 (最高レート1924、最終186X)

http://teraandgoku.hatenablog.com/entry/2018/09/12/174729?_ga=2.135345841.1655266876.1556607409-1820546173.1533704716

【ポケモンUSM】 シングルレートシーズン14  18帯の番人による猿ガブ軸ネット構築ver.6 (最高レート1910、最終1800)

http://teraandgoku.hatenablog.com/entry/2019/04/03/231813?_ga=2.262795916.1655266876.1556607409-1820546173.1533704716

 

地震

ドラゴンダイブと同火力のタイプ一致メイン技です。ドラゴン技を半減してしまう鋼タイプへの抜群を取る事が出来、フェアリータイプへの有効打点にもなります。

剣の舞

ガブリアスメインの積み技です。A130の2段階上昇タイプ一致技は生半可な耐久では受けきれず、そこにZ技の威力がかかれば大概のポケモンは一撃で粉砕されます。

ガブリアスへのメイン技対策として飛行タイプとフェアリータイプや鋼タイプ、威嚇持ちを交互に繰り出す相手に対して交代読みの剣の舞を決めて相手の後続全てをワンパン圏内に持っていくことも可能です。

 

選択技

身代わり

相手の状態異常技や岩石封じを無力化し、ターン稼ぎや麻痺サポートの試行回数を稼ぐ為の様子見のローリスクハイリターン技です。技範囲もフェアリーの登場があるとはいえ、ドラゴン・地面だけで十二分な相手に等倍弱点を突く事が出来る為個人的には一番おススメな技です。

ただし、ガブの耐久自体がそれなりにあるにも関わらず体力を削って身代わりをだしているので、相手によって身代わりが必要か不要か見極める必要があります。

炎の牙

対ムドー、カグヤ、メガハッサム対策。しかし、ムドーには積みを無効化する鉄壁や吹き飛ばしがあり、カグヤは剣舞2積み龍Zでカグヤを粉砕できる可能性がアリ、メガハッサムは剣舞1積み地Zで粉砕できるため、やろうと思えば別の方法で対処できるものばかりです。

毒突き

対ブルル、エルフーン、トゲキッス対策。ドラゴン技、地面技を軒並み半減無効化してくる相手に対して有効であり、炎の牙よりは対抗手段としての必須感はありますが、必要な相手が上記の3匹くらいしかいないので、ピンポメタ感は否めません。

ステルスロック

剣舞アタッカーとして刺す事が出来なさそうなケースに置いて、最低限の後続へのサポート技としてあったら便利な技です。無双性能は下がりますが、腐りにくくはなります。

吠える(上級者向け)

相手の積みバトンを崩壊させたり、ムドーやカバ等の吠える吹き飛ばし、ポリ2のトリックルームを発動させる事無く、相手の後続を引きずり出す事が出来ます。しかし相手の技を完全に見切った上で打たないといけない為、失敗したときにガブが無力化される可能性が高く、ハイリスクハイリターンな技となっております。

 

 

⑤持ち物(Zクリスタル)

龍Z

物理を受けるという事で、物理技に多い接触技に対して相手にスリップダメージを入れる事の出来る道具です。雑に投げても相手の接触技使いにダメージを与えたり、襷を潰すことが出来る面では一番使いやすさがあると思います。唯一の欠点は相手に接触ダメージが入った瞬間、こちらがメガで無いことがバレるという事です。

{龍Zでないと有利がとれない相手}

リザードン(既にXに進化してたら別)、ボーマンダ、サンダー、霊獣ランドロス、霊獣ボルトロス、ギャラドス、テッカグヤ(2積みしてやっとワンチャンあり)、クレセリア

 

地面Z

今回はドラゴン技が逆鱗と違い、ドラゴン技で固定されるリスクが少ないためこちらも選択肢に入ります。

ガブのZクリスタルといえば龍Zという事もアリ、Z技を無駄撃ちさせる為にフェアリータイプや鋼タイプを投げられる事もあったため、そんな相手にこの地面Zが刺さりました。

{地面Zでないと有利がとれない相手}

ミミッキュ、カプ・レヒレ(CS以外)、メタグロス、ハッサム

 

 

 

 

⑥努力値と性格

※尚、個体は全て6Vとさせていただきます。

 

調整案その1 (陽気ASベース)

陽気

H;12, A;244, S;252 (185/181/115/x/105/169)

【調整】

H - 4n+1調整(身代わりの耐久を少しでも上げる為)

A - 余り

S - 最速

【目安】

A     - 腕白H228B140振りカバルドンが剣舞1積み龍(地)Zで確1

    H4振り霊獣ランドロスを龍Zで確1

H-B -  陽気A252振りミミッキュのじゃれつく+影討ち確定耐え

     意地A251振りメガマンダの捨身確定耐え

     A無振りガルドの影討ち身代わり耐え

     A無振り霊獣ランドの蜻蛉返り最高乱数以外耐え(15/16)

H-D - C無振りポリ2の冷ビ乱数耐え(5/16)

       臆病C252振りカプ・レヒレのムンフォ確定耐え

    臆病C252振りゲッコウガの水手裏剣最高乱数以外身代わり3耐え

 

 出来るだけ多くの相手の上からできるだけ高火力をぶつけたいので陽気最速ASベースが基本です。

味方の速さサポートが無くてもS102は充分早い分類に入るのと、双方のリザに強いという利点を活かす為、こちらが一番おススメです。

 

調整案その2 (意地HASベース)

意地っ張り

H;140, A;244, S;124 (201/199/115/X/105/138)

【調整】

H - 地球投げ4耐え

A - 余り

S - 準速85族抜き、S1段階低下135族抜き調整

【目安】

A    -   意地H244B164振りミミッキュを地Zで確1

   腕白HB252振りカバルドンを1舞龍(地)Zで確1

   図太いHB252振りクレセリアを1舞龍Zで乱1(10/16)

     図太いHB252振りポリ2を1舞龍(地)Zで乱1(6/16)

H-B -  意地A252振りマンムーの礫確定耐え

     意地A252振りミミッキュのじゃれつく+影討ち確定耐え

     陽気A252振りメガマンダの1舞恩返しを高乱耐え(12/16)

     陽気A252振りメガギャラの氷牙高乱耐え(12/16)

H-D - 図太いC4振りポリ2の冷ビ確定耐え

       臆病C252振り霊獣ボルトロスのめざ氷高乱耐え(12/16)

 

 

Sを犠牲に火力と耐久を底上げする調整です。タイマンでメガリザに素早さサポート無しで勝てる可能性が下がる代わりに、対ポリ2、ミミッキュ、メガマンダへのタイマン性能が上がりました。思考としてはメガガブリアスのそれと似ていますが、こちらはZ技によって出せる瞬発的な火力が破格の物です。

 

調整案その3 (意地ASベース)

意地っ張り

H;12, A;236, B;4,D;4, S;252 (185/198/116/x/106/154)

【調整】

H - 4n+1調整(身代わりの耐久を少しでも上げる為)

A - 余り(10n調整)

D - C無振りポリ2の冷ビ高乱数耐え(13/16)

S - 準速

 

調整2の火力を維持しつつ、出来るだけ多くの敵の上を取る為の調整です。

同速で最速88族(ドリュウズ)がおり、元々の主な役割対象であるメガリザも準速であればまだ上から叩ける為、火力と速さを維持するものの、S89-101族は素早さ激戦区な為、その中の最速個体には多少抜かれる覚悟を決めた方が良いと思います。

 

 

調整案その4 (陽気ABSベース)

陽気

H;12, A;148, B;92,D;4, S;252 (185/169/127/x/106/169)

【調整】

H - 4n+1調整(身代わりの耐久を少しでも上げる為)

A - 余り

B - 意地A252振りミミッキュのじゃれつく+影討ち確定耐え

D - C無振りポリ2の冷ビ高乱数耐え(13/16)

S - 最速

 

最速を維持しつつ、Bに振る事でミミッキュを筆頭に物理相手へ無理やり積みを通せるようにした調整

1舞した時の最大火力が落ち、HBカバやHBクレセが100%A↑2ドラゴンダイブZで落ちなくなるので前もって少しだけ削っておく必要が出ますが、安定して耐える範囲が広がった為、通常のASベース振りよりは身代わりを使わずとも舞える場面が増えます。

 

 

⑦相性の良い味方

・テッカグヤ

ガブカグヤと言う並びがSM初期に流行っていたこともあり、鋼・飛行タイプとの相性補完は抜群であり、カグヤの苦手な炎・電気をガブが、ガブの苦手な氷、高速龍、フェアリーをカグヤが見る事ができます

ただし、USMで新登場したアーゴヨンには要注意である。

 

・メガクチート

トリル軸のPTでこの型のガブを補完エースとして使用する場合。トリル軸のメガクチートはリザードンやメガバシャが天敵である為、そのPTに対してはガブを暴れさせるという戦法を取れます。

 

・麻痺撒き、ねばねばネット使い、岩封凍風使い等

このガブリアスは全抜きをする事が目的なので、一定数ガブより早いポケモンがいる現環境で上から叩かれない為にはそのポケモンの素早さサポートをしてあげる必要があります

 

・悪巧みメガルカリオ

積み構築の2エースとして物理をガブにする場合、特殊をガブの苦手なポリクチミミッキュに有利を取れる特殊メガルカリオで無双出来るよう裏選出のエースとして活用する事ができます。

 

・ゲッコウガに打点のあるメガゲンガー

Sサポートが無い際にガブが弱めなゲッコウガに対して強く出れる特殊アタッカー。他にもコケコとも同速勝負を仕掛ける事が出来る為、ガブより速いポケモンやフェアリータイプを見るには最適な特殊アタッカー。

 

・メガスピアー

先述したメガゲンガー同様にガブより速いポケモン、フェアリータイプを見る事ができる。物理ATとしてガブと役割が被ってしまいますが、こちらは襷ゲッコウガを蜻蛉で見ながら引くか、ミサイル針で襷貫通ができる点、コケコより速いという点から上記の2名をより安定して狩れるという利点があります。

 

・ビルドor分身バシャ

ガブバシャの並びと言えば、ガブがステロを撒いて、馬車がバトンとなって3匹目のATに繋げるという戦術が有名ですが、意表を突いてこのガブをバトン先にすると言う作戦も有効です。ビルドを積めば対物理への対抗力はあがりますし、身代わりも割れづらくなります。分身も同様に身代わりとのシナジーがよく、剣舞を積む隙が作りやすくなります。

 

 

⑧最後に

如何でしょうか?

火力もスピードもインフレが続き、フェアリー環境となった今、昔程簡単に無双できなくなりましたが、それでも読み次第で3タテする事もそれなりの頻度でできるポテンシャルをZ技は与えてくれたと思います。

そして、このドラゴンダイブという技の採用によって、技の選択肢の自由が増え、積みエースの醍醐味である読み合いに拍車がかかるようになったと思います。

最後に一言だけ言わせて貰いますと、平成最強のポケモンはガブリアスです!誰がなんと言おうと私はガブリアスを推します!

ここまで閲覧いただきありがとうございます。

令和でもよろしくお願いします。